声に苦しむ仲間が、生きやすい社会に

2017年4月1日、SDCP発声障害患者会は、一般社団法人として4年目を迎えました。

2013年から行っている「都道府県の教育機関への陳情活動」では これまで9都道府県に、約2万部のリーフレットを配布してまいりました。
昨年度も愛媛県と松山市に伺い、地元の県議にご同行頂き、松山市在住の患者と共に、疾病やそれにまつわる体験談等、発声障害患者の現状を「知っていただく」ことを目的にお話してきました。
また、痙攣性発声障害に対するボトックス注射およびチタン手術の両治験が無事終了し、現在、薬事承認申請に向けた準備段階にあるとの報告を受けております。
これらの活動の成果も、会員の皆様のご支援があってこそと、心より感謝しております。

これまで多くの方々にご理解をいただきながら地道に認知活動を続けて参りましたが、今も、声に苦しんでいる方々が日本中にいることを実感しております。
インターネットで何度も何度も検索し、当会ホームページにやっとたどり着いた方、ご友人が探してくれて当会の存在を知った方…… 認知活動を始めて8年になりますが、多くの声に苦しむ仲間たちからの相談は絶えません。

「捻挫したんだ」と言うと「じゃあ、湿布しないと痛いよね…」と言われるのと同じように、「発声障害なんだ」と相手に伝えると「じゃあ声が出にくくて苦しいでしょ?」と、自然にこんな会話ができるような社会を目指して、今年度も各地へ陳情に赴く所存です。

脳性マヒの小児科医である熊谷晋一郎さんがこんなことを仰っています。
「膨大なものに広く浅く依存していると“自分は何にも依存していない”と感じられる、それが“自立“」だと。
「自立」と「依存」は一般的には反対語と思われていますが、自立しているように見える人は、実は多くの「依存先」を見つけるのが上手で、たくさんの「依存先」を持っているのだそうです。
会員の皆様には、是非この患者会を、良い意味での「依存先」にしてほしいのです。確かに私自身、義母や実母、近所のママ友たちにサポートしてもらいながら子育てと仕事の両立ができましたし、沢山の「声仲間」が辛い時に支えてくれたおかげで、こうして患者会も日常生活も滞りなく遂行できています。是非ともこの患者会を依存先として活用していただけると嬉しいです。

私たちの活動に賛同して下さり、会員になって頂いた方は92名に上ります(平成29年4月1日時点)。また、患者やサポーターの交流の場であるmixiのコミュニティ「痙攣性発声障害・・・ですが何か?」には869名の参加者がいます(平成29年4月1日時点)。同じ病気で悩んでいる多くの仲間たち、そして私たちを応援してくださる支援者の皆さんの想いを、より多くの人々にお届けすることこそが、私たちの大きな使命です。

「一般社団法人SDCP発声障害患者会」は、これまで以上に、発声障害に関する正しい知識の普及啓発活動・広報活動を行うとともに、関係機関に発声障害の原因究明と治療法の確立・治療への保険適用を求め、社会的責務の重要性を十分に認識して活動して参ります。今年度も是非、ご支援のほど、よろしくお願い申し上げます。

(昨年度ご入会頂いた方も会員更新のお手続きが必要となります。詳しくは更新のお願いをご覧ください。)

2017年4月1日
一般社団法人SDCP発声障害患者会
代表理事  田中美穂