声が出なきゃ目指していた夢を叶えられない
(神奈川県 20代女性 2009年7月)
「こんな筈じゃなかった」のか
「成るべくして成った」のか
自分はSDじゃないけれど発声障害
遺伝性の病気で喉近くの手術で声帯麻痺
本当は一回ですむ筈の手術だったのが一年待たずに二度目の手術
同じ部位を二度手術したことで負担が大きかったらしい
執刀医は「傷つけてないから」の一点張り
通院していて声が出ていないことは分かっているのに触れようとしない
当時声優の専門学校の生徒だった
授業も舞台も友達との語らいも一転して地獄になった
声が出なきゃ目指していた夢を叶えられない
でもソレだけじゃなかった
バイトも日常会話も電話も恐怖に変わった
周りにも分かってもらえない
飲み会にもカラオケにも普通に誘われる
息漏れもあって激しい運動もできなくなった
不安も不満も言いたいのに自分の発する声が勘に障って言えない
声帯の手術で半分は助かったけど片側の麻痺は二度と治らない
二度目が無かったら…
一度ですんでいたら…
今でも悔しい
でも得たものもある
同じ病が原因で他界した父の気持ちが痛いほど解る
遅くなったけど理解できたと思う
それ故、当時自分達が何も出来なかったことが腹立たしい
だから父の分も、ってワケじゃないけど乗り越えていきたいと思う
母も、父に出来なかった事、理解できなかった事を踏まえて、親身に自分に接してくれるようになった
離れていても以前より、家族との心の距離が縮まった気がする
何だかんだいって人は人と接しながら成長するんだと知った
分かってくれない
理解してくれないと
一人でいたら、それこそ病気になるんだと
「当たり前」がいかに幸せなのか、気付けた事は大きな財産かなぁ
まだ人と接することや物事に挑戦することは怖い
今は無理せず、欲張らず
距離をおきながら
生きている’生かされていることに感謝をしながら
新しい目標が見付かるまで
焦らず、静かに過ごしています
少しずつでも確実に前に進みたい